平成24年月25日(月)(毎週月曜日発行)第1142号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
〒103-0013 東京都中央区日本橋富沢町11−15−702
TEL 03-3668-3450 FAX 03-3664-9275
購読料・月2,310円 年27,300円(税込み


日本テクノシステム


  
◇日本卸電力取引所(LEPEX)
  「分散型・グリーン売電市場」をスタート
     小口取引可能になり、自家発電の促進効果も
◇"先物寸言"80年代にタイムスリップ
◆香港取引所(HKEX)=LME買収で合意
◆【産構審 第7回】報告書(案)に沿った迅速な対応を要望
◆産業構造審議会商品先物取引分科会報告書(案)


日本卸電力取引所(LEPEX)
「分散型・グリーン売電市場」をスタート
小口取引可能になり、自家発電の促進効果も
  
 電力売買を仲介する日本卸電力取引所が6月18日、自家用発電設備やコジュネ発電の余剰電力を小口でも売買できる新市場「分散型・グリーン売電市場」を開設した。同取引所は平成17年4月に1000キロワット単位の大口電力のスポット・先渡し市場として、電力の現物取引を開始。電力不足等で、太陽光・風力による自家発電が話題になる中、新市場は小口の売買が可能になることで、電力取引への関心が高まると期待されている。電力取引については、6月18日の産業構造審議会商品先物取引分科会の報告書でも、発電用燃料や電力そのものの先物上場について「二−ズを検討すべき」だとしている。
(益永 研)
 電力自由化の中で電力売買に関心も
 日本卸電力取引所は社団法人で、「社員」には東京電力他の大手電力会社等20社が名を連ねている。取引会員はこれら電力会社や特定規模電気事業者など55社で、これらの会員は新市場の「買い手」でもある。ただ、新市場の初日の売買はゼロ。平成17年から始めている大口電力のスポット・先渡し2市場での売買についても、売買高は年間で、国内総電力需要の1%弱とあまり利用されてこなかったのが実情だ。
 ただ、新市場については、送電線につながった発電設備を持っている企業であれば「誰でも売れる」(同)上に、売り手は入会金(約160万円)は不要で、手数料も当面は無料。12日に開かれた事前説明会に200人集まるなど「関心は高い」(JEPEX)という。「取引所取引のニーズは今後膨らむはず」(同)との期待がある。
 現在、原子力発電所の停止・再開問題などで、企業ばかりでなく個人にまで自家発電、売電への関心が高まりつつある上に、電力小売りの全面自由化や、電力会社が抱えている発電部門と送配電部門を分けることによって、電力会社以外の発電事業者に対する規制も緩和される方向にある。「売り手」が増えれば、市場も賑わう可能性はある。
 取引の仕組みは、主として1ケ月先程度の余剰電力を売買するもので、売り手が販売価格、販売量、売り条件(期間、曜日等)をすべて提示することが可能。取引所を通じて、その条件が取引会員各社に提示され、それに対して複数の買い手が買値を提示し、売り手はその中から良いと思われる会社を選び、契約し、送電することになる。
 今回の産業構造審議会でも、電力の先物市場上場が今後の検討課題の一つに挙げられている。
 (2012年6月25日―第1142号)