平成24年月13日(月)(毎週月曜日発行)第1149号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
〒103-0013 東京都中央区日本橋富沢町11−15−702
TEL 03-3668-3450 FAX 03-3664-9275
購読料・月2,310円 年27,300円(税込み


日本テクノシステム


  
日商協=登録外務員数、4ヵ月で増減の無念
   国内商品先物市場に今こそ若い人材を
◇"先物寸言" 若者よ立ち上がれ
◇商先業者の開示情報ほぼ出そろう
   受託・取次業者28社中17社が黒字【訂正版】
◆東工取=相次ぐイベントに協賛に期待の声
◆"先物文化" 未決済契約とリスク管理
─お知らせ─
 ※ 8月20日付けを休刊します。次号は8月27日付けの発行になりますので、
   ご了承ください。


日商協=登録外務員数、4ヵ月で増減の無念
国内商品先物市場に今こそ若い人材を
  
 8月3日、日本商品先物取引協会が発表した7月末の登録外務員数は29527名と、今年3月末に比ベ450名増えた。このうち、国内商品先物市場を営業する外務員数も、3月末の2409名から7月末には2460名へと51名増えた。しかし、実際には、4月から7月までに、新たに国内商品先物業界に入った新規登録者数は277名だった。つまり、この4ヵ月間で226名の外務員が商品先物業界から去っていったことに
なる。
(益永 研)
 インターネット、ディーリング──
  今こそやるべきことが山ぼどある商品業界へ
 「若いディーラー候補生はいないか?」
 あるプロップトレーディング・チームのマネージャー(40歳)が言う。
 「東工取の出来高は史上最悪で、売買するのもままならないが、稼げなくなったから、ベテランの数が減りつつある。このままではマーケットが動き始めても取れるディーラーがいなくなってしまう。今のうちに、若いディーラーを育成したい」
 別の、こんな声もある。
 「わが社もいよいよインターネット取引に本腰を入れたいが、若くてインターネット・ビジネスをしてみたいという人材はいないか?」
 いずれも、ついここ1週間の間に相次いでかかってきた電話での話である。どちらも、中堅以上の商品先物取引業者の部長職だ。
 残念なことに、この2人の会社は今年、そして昨年も、新規採用を見合わせていた。ひょっとしたらその前から大卒の採用などしていなかったかもしれないが、それはともかく、今、実は、もっと多くの会社で「新しいビジネスを展開するための人材を求めている」(別の商品先物関係者)ようだ。
 しかし、前述のように、商品先物業界では今年度も人材流出が止まらないようだ。
 その理由について、各社を取材していて感じることが1つある。それは、業界歴が長い人ほど、残っているということだ。その方々には厳しい物言いになるが、新しいことを自分で出来ない人々もその中には数多いように見える。
 たとえば、FXの会社に行く。細身のズボンをはいた軽めの若者たちがこんなことを言い始める。
 「商品ならガソリンありますよね。先物会社がガソリン券を作って、6ヶ月先の相場で、10冊幾らでガソリンスタンドに売るんです。ガソリンスタンドは、証拠金を入れて6ヶ月先物を買っておく。必要な現金は、証拠金だけ。いずれ、タンクローリーで、運んでもらうことにすれば、買いっぱなしでも構わない。ガソリンスタンドはそれを、常連さんたちに、自分が仕入れた6ヶ月先の相場で売る。6ヶ月先になって、もし相場が上がっていたら、現受けしても利食いしてもいい。下がっていたら、その時の相場で、別の現物を買って、先物は損切りすればいい。オプションなら、もっと簡単ですかね」。
 ガソリン券あるいは金の1グラムバーを実際に、個人投資家に売ろうというアイディアも、誰もが一度は考え付く。しかし、商品先物業界の「規制」づけの頭では、「どうせ実現できるはずがない」と忘れてしまう。しかし、このFX関係者の話を聞いていると、「この人たちなら、なんでもやってしまうかも知らんなぁ」と思えるから不思議である。
 今、FXの若い人々が、商品先物市場の「魅力」をどう再構築するかを考えたら、これまでとは違う商品先物市場が生まれるかもしれない。
 そんな人々が山ほどいる業界と、「規制」にどっぷりつかって半ば余生を過ごしているおじさんたちの業界とでは、どちらに魅力があるかもまた、明らかである。
 だから、さっさと辞めてしまうのかと思っていたら、「わが社は、採用した若い人たちはまだ残っていますよ」という会社もあった。この会社は大手上場会社であり、
 「逆に、外務員で、新規が出なくなった人たちが、ここへきていよいよあきらめてしまって、辞めるという話は一杯あります」と。
 そこで、前述のインターネットやディーリング要員を求めている会社があるという話をすると、「わが社は自己ディーリングはしていませんからね。インターネットも人員は足りているなぁ」と言う。
 では、そういう若者たちにはどこで働いてもらうのかと聞くと、「これまで通り、総務・経理の内勤と、営業と企画です」という。人材はどこの部署でも必要なんです」。
 「いまさら、若い人を入れても、難しいのかもしれないなぁ。うちの会社は、我々の世代で終わるのかなぁ」と前出の「インターネット」部長氏。
 いや、インターネットビジネスは、ツボにはまればあっという間に成長する。
そんな事例を山ほど見てきたといったところで、できなければ仕方がない。
 この記事だけは実は、SKYCOMというWebレターでも紹介されることになっているので、もし就職難で困っている若い人がいて、インターネット取引のセルサイドになってみるのも面白い、あるいは、商品相場のディーラーと言うのも夢があるかもと思う人がいたら、ぜひ一度ご連絡を。
 各社ともリストラを進める中で、今、国内商品取引所の取引高降下が止まらない。理由の一つは若いプロップトレーダーたちが、のんびりと夏休みをとっていること、らしい。昔のように夏休みなしで営業に追いまくられることも今の商品業界なら無いだろう。
 若者たちよ、安心して商品相場の世界に飛び込んできて欲しい。
 (2012年8月13日―第1149号)