平成25年月21日(月)(毎週月曜日発行)第1168号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
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日本テクノシステム


  
◇金融先物取引業協会 今春にもバイナリーオプション規制を導入へ
  システム・トレードも部内で検討
◇"先物寸言" 国民は「人よりコンクリート」を選んだのか
◆農水・経産両省=東工取農産物・砂糖市場開設と商号変更を認可
◆"談話室" 成功した米国人トレーダーたちの共通点を一つだけ
◆FIA速報=2012年米国先物・オプション取引高は13.2%減
◆東工取=2012年東工取年間出来高は19.5%減
◆FX、大型のM&Aは今年も続く


金融先物取引業協会 今春にもバイナリーオプション規制を導入へ
システム・トレードも部内で検討
  
 一般社団法人金融先物取引業協会は昨年12月12日、会員各社に「個人向けバイナリーオプション取引」規制骨子を通知した。内容は、バイナリーオプションの自主規制ルール作りを目的に昨年9月に協会が立ち上げた「バイナリーオプションワーキンググループ」の中間整理としてまとめられたもので、同協会は、今春にも最終的な規制案を公表する予定だ。また同協会では、昨年、商品先物取引法の省令改正で、商品先物取引の個人投資家向けシステム取引と自動売買取引が正式に認められたことを受けて、現在はこれらの取引に関する規制が無いFX業者のシステム・トレードや自動売買取引についても協会内で自主規制の必要性について検討しているという。「規制強化には業者として反対」という声も多いものの、FXとCXの制度が揃い、それぞれの取引についてガイドラインが定まってくれば、商品先物業界でもCXのバイナリーオプションやシステム・トレードが手がけやすくなると見る関係者もいる。
(益永 研)
 規制導入に懸念の声も
 今回のバイナリーオプションの金融先物取引業協会による自主規制ルール作りについて、骨子案を見た会員のバイナリーオプション担当者からは、「ストライクプライスによる取引や、取引時間を一日単位にするなどの案がある。何より、短時間のハイ&ローが提供できなくなるのは致命的だろう。これまで5分、20分の時間枠でバイナリーを提供してきたところは、それだけ多くの収益を上げてきたことになるが、1日に1回だけの提供となってしまっては、収入も大きく減ってしまう。業者としては、単純なハイ&ローは出来ないということだ。この自主規制がそのまま実施されると、取引所取引のオプション同様、仕組みが複雑になってしまう可能性がある。今は単純さと勝負の速さが売り物だから、複雑になれば、投資家は離れてしまう」など、懸念する声も聞かれる。「海外のオプション業者の中には、ハイ&ローで3回連続して当たれば、戻りも倍増する(競馬の3連単方式)新手を考えている会社さえある。これも長時間のオプションになっては面白みがなくなるに違いない」。
 といっても、同案の詳細はまだ公表されていない。1月16日、一部FX会社がホームページで「金融先物取引業協会のバイナリーオプション規制骨子」を掲載しているが、その内容も、「今後、自主規制ルールに盛り込むことが提言されている要点」として、(1)正しい知識の提供、(2)過度な取引の抑制、(3)顧客保護・顧客利益に資する商品設計、(4)適切な取引条件による商品の提供──の4項目を掲げているだけで、具体的な詳細は分からない。
 1月17日、金融先物取引業協会に詳細を問い合せたところ、「今後も調整が必要なので、どこにも公表していない」とのことだった。
 ただ、前述したFX業者の懸念については、「仮に、あらかじめストライクプライスを設定する形になったとしても、基本的なFXの値動きから考えれば、現在のバイナリーオプションの魅力が損なわれるとは考えていない」と協会関係者。一方で、従来のバイナリーオプションが、瞬間的、あるいは投機的であるとの一般的な指摘については考慮しなければならないとしている。今後は、従来のバイナリーオプションの魅力を活かしながら、どれだけギャンブル色を打ち消せるかが課題になりそうだ。ただ、FX業者の話を聞く限り、業者として、バイナリーオプションを継続するにはかなりの勇気と労力が必要になりそうだ。バイナリーオプションから撤退する業者も少なくないに違いない。
 協会では、最終的なバイナリーオプションの自主規制については今春、4月までには発表したいとしている。
 ちなみに、同協会では現在の金融商品取引法では規制されていないFXのシステム取引と自動売買についても、現在、新たに規制が必要かどうかを検討しているとも語った。「昨年、商品先物取引法で、業者による個人向けシステム取引と自動売買の提供が正式に認められたこともあるので、FXについても法制度化すべきかどうか検討している」ということだ。
 (2013年1月21日―第1168号)