平成25年月18日(月)(毎週月曜日発行)第1176号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町11-15-702
TEL 03-3668-3450 FAX 03-3664-9275
購読料・月2,310円 年27,300円(税込み


日本テクノシステム


  
◇商品取引所寄附講義:2012年度の実績
  4大学で実施、好評だった学生アンケート
   2013年度は名古屋大学でも一年ぶりに開講
◇"先物寸言" 米通商代表部の実力
◆欧米のヘッジファンド廃業増加
◆進化し続けるFX=初心者から高頻度トレーダーまで
◆"インタビュー" 先物教育=社会貢献の時代に 立正大学 林康史 経済学部教授
◆"談話室" ネット時代と投資仲介業
◆"アングル"
 ・米SEC、アルゴリズム取引監視に本腰
 ・インドの「金」業界、輸入税引き上げ予算案通らず安堵
 ・投資家の売りに冷えるココア
 ・CME、穀物の取引時間を短縮


商品取引所寄附講義:2012年度の実績
4大学で実施、好評だった学生アンケート
2013年度は名古屋大学でも一年ぶりに開講
  
 2012年度の国内3商品取引所(東京工業品取引所・東京穀物商品取引所・関西商品取引所)主催の寄附講義が終了した。同寄附講義は、商品先物取引の啓発活動の一環として、2011年から開設されているもので、2012年度は前期(夏学期)に、亜細亜大学、後期(冬学期)に、関西学院大学、神戸大学、武蔵大学の合計4大学で開講された。履修生数は、4大学合計で、300人を起えた。コーディネーターである立正大学経済学部の林康史教授によると、学生へのアンケートや大学へのヒアリングでも、講義に対する評価は高く、2013年度も東京商品取引所・大阪堂島商品取引所の主催で4大学(愛知大学、神戸大学、名古屋大学、武蔵大学)で開講する。
(益永 研)
 評価は「大変良い」「良い」がほば6割占める
 商品先物取引に関する講義は、以前にも、いくつかの大学で開講されていた。ただ、大学院教育を主とするもので、対象人数も限られていた。それに対して、この寄附講義は取引所役職員と商品先物市場を研究している大学の研究者が交代で教鞭をとる、大学の学部生を対象とした、単位取得科目となっている。
 大学としては、学生へのメニュー揃えができる。2012年度はなかったが、2011年度は学外への公開講座を兼ねた大学もあり、社会人教育・生涯教育の必要性が取りざたされる現状では、先物取引という実学を講義として提供する意義は大きい。こうした点が大学側からも評価されているようだ。
 林康史立正大学教授によれば、学生に実施したアンケートでも同講義に対する総合評価の内、「大変良い」と「良い」を合わせるとほぼ6割を占めていたという。学生からも好評だったようだ。
 一方、講義内容のレベルについては、同じアンケートで「非常に難しかった」と「難しかった」が約7割を占めた。難しくても、授業として「良い」という評価が多かったのは、商品先物取引に関する知識を獲得することに意味があったと
多くの学生たちが感じた結果といっていいだろう。

講師を務めた関西・商品取引所(当時)の岡本理事長の
講義の合間に、ちょんまげ姿の江戸の豪商、淀屋が江戸
期の大坂の米相場や、旗振りでの通信システムを説明。
学生たちは、熱心に受講していた。於:関西学院大学。
 学生へのメニュー揃えは別のメリットもある。こうしたメニューが増えれば、制度や仕組みを比較することができるようになるわけで、学生が金融論や証券論を深く理解する助けともなる。
 2013年度は、2012年度は休講していた名古屋大学でも再び開講する。これも、前回の評価が高かったために違いない。
 林氏は、「2013年度は、実施大学数を2012年度と同じ4大学とした。いろいろな大学で隔年または3年ごとに実施したい考えもあったが、大学からは、なるたけ休講せず、連続での寄附講義の希望が強かったことから、受講者が多いことなど幾つかの点を考慮して、この4大学に決めた」という。「東穀取がなくなり、国内の商品取引所は2つとなったが、今後も希望する大学があれば、講師の派遣などで商品市場が果たす機能の大事さを、積極的に伝え、市場を振興していきたい。市場には自然発生的なものと、それを発展させたものがあるが、先物取引市場は社会的なシステムとして社会全体で育てて維持していく必要があると考える」。
 (2013年3月18日―第1176号)