平成25年月22日(月)(毎週月曜日発行)第1193号      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
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日本テクノシステム



◇金融庁=「総合取引所実現」に意欲示す
  厳しすぎる規制改革に慎重姿勢も
◇"先物寸言" 取引所の盛衰と戦略
◆"焦点" 衆院経済産業委員会(6月19日)のもう一つの誤解を糺す
◆"アングル"
  ・主要金鉱山会社の株価、年初から軒並み50%前後下落
  ・大手ヘッジファンド、第一4半期は好成績 キーワードは「日本」
  ・全証券取引所の半数がハッカーの脅威に
【おことわり】
 7月29日号は編集の都合により休刊とさせていただきます。
 次号は8月5日号の発行となりますので、ご了承ください。


金融庁=「総合取引所実現」に意欲示す
厳しすぎる規制改革に慎重姿勢も
  
 金融庁の遠藤俊英総務企画局審議官は7月12日、東京・八重洲で開催された「グローバルマーケットソリューションズ2013〜金融市場国際フォーラム」(リッキーマーケットソリューション主催で、「これからの金融行政」と題して基調講演を行った。遠藤審議官は、金融行政の質的向上に向けた取り組みとして、「金融庁は、過去数年間、金融機関や市場との対話を充実させ、より質の高い検査・監督行政へと転換」しているとアピールした。そのほか、「総合取引所をなんとか日本で実現」させたい意向も示した。
  
 金融規制の質的向上を「べター・レギュレーション」と称した。検査の基本方針として、経営上のリスクを見逃さず、重箱の隅を突くことはせず重要な経営課題に焦点をあて、改善の方向性について認識を共有し十分な議論を行い、真の納得感が得られる検査を行っている、と説明した。また、監督行政については、リスク感応度の高い、利用者の立場・国民の目線に立った、将来を見据えた金融機関の自主的な経営改善・経営判断に資する行政を行っていると強調した。
 2008年9月のリーマンショック以降、金融機関に対する大幅な規制強化に向けた南際的な議論が展開する中、日本は、性急かつ厳しすぎる規制改革が実体経済に与える悪影響にも配慮する必要があると主張し、国際的合意にも反映されたとした。さらに、2012年度から5年間の「政策評価基本計画」において、金融行政の目的は、金融仲介機能が十全に発揮されることを通じ、経済の持続的成長と国民生活の安定に貢献していくことである、との考え方を明示したと説明した。
 金融行政の今後のチャレンジとして、政策官庁としての企画力・発信力の向上、アジア諸国への金融技術支援、民間活動の環境整備、日本の金融システムを磐石にすることなどを挙げた。その中で、政策官庁としての企画力・発信力の向上について、ビジネス環境の整備、高度な顧客サービス、魅力・活力ある資本市場をめざすとし、具体的には日本版ISA(NISA)総合取引所の実現などを謳った。
 行政運営上の意見交換や懇談の場である「官民ラウンドテーブル」についても語った。「官民によるわが国金融機能の向上・活性化に向けた持続的な対話」として有意義なものであるとのスタンスを示し、「わが国企業・金融機関の国際展開の拡充、高齢化社会に対応した金融サービスの向上」などをめざすとした。「高齢化社会と金融サービス」作業部会で、高齢者やその他の人々が気軽に相談できる「金融コンシェルジュ」を病院などに設置したとの報告があったと説明した。
  
 TOCOM エネルギー市場拡大に言及
 そのほか今回のイベントでは、東京商品取引所の市場構造研究所の山岡博士部長が「エネルギーの総合市場創設に向けて」と題し、説明。「石油以外のエネルギー先物市場の創設に向け、排出量取引、LNG(液化天然ガス〉取引、電力取引、石炭についての取り組みを行っている」と語った。
 エネルギー先物市場活性化のための前提として、エネルギーのOTC(店頭取引)市場が活発になる必要があると強調。また、ヘッジ会計や、個人所得税における金融商品との損益通算などに関連した税制改正の要望も行っているなど、積極的に取り組んでいるとした。
 (2013年7月22日─1193号)