平成25年12月16日(月)(毎週月曜日発行)第1213号
    発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 成毛 浩之
〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町11-15-702
TEL 03-3668-3450 FAX 03-3664-9275
購読料・月2,310円 年27,300円(税込み


日本テクノシステム



◇東商取=当面3年は現行システムで
  総合エネルギー市場創設へ
   次期システムはJPXの次期システムを対象に検討
◇"先物寸言" 秘密保護法と市民生活
◆東商取11月出来高 1日平均取引高は前月比7.2%減少
◆フィリップ証券・下山均社長 今後の経営見通しを聞く
◆"談話室" 東証・大証デリバティブ市場統合に証券会社も大わらわ


東商取=当面3年は現行システムで
総合エネルギー市場創設へ
次期システムはJPXの次期システムを対象に検討
  
 東京商品取引所の江崎格社長は12月13日の記者会見で、かねてから注目されていた次期システム選定について、現時点での結論として、当面3年間は現行システムを使わざるを得ないが、次期システムについてはJPXの次期システム選定に合わせてJPXとも協議し、その上でJPXの次期システムを利用することにメリットがあれば、共同利用も考えていくと発表した。JPXは今年3月24日に東証・大証のデリバティプ市場をJ-Gate(取引システム)に統合するが、2016年には次期システムを稼働させるスケジュールになっている。JPXはそのため、2014年夏ごろまでには次期システムの決定のため入札などを行う予定で、東商取としては現時点でJ-Gateを利用するメリットはなく、その点、JPXも同じ考え方だとも語った。JPXの次期システム稼働までの3年間については、@総合エネルギー市場創設と市場運営に目途をつける、ACMEなど他取引所およびJPXなど国内の金融商品市場との相乗効果を発揮する連携を進める、B制度整備、C財務基盤強化を進めていく新たな経営方針も明らかにした。
  
 「JPXは16年には新システムを稼働する。逆算すると来年度中、夏ごろにも次期システムの入札などがあるだろう。我々は、これをただ待つのではなく、入札の際に提示する要件定義に関する意見も出していきたい。その上で、コモディティにも親和性があって使いやすいものであり、かつ東商取の市場参加者にとってもコスト、リスクが低いものであれば共同利用も考えていく」
 江崎社長は、この1年間で初めて次期システム選定について、JPXの次期システムを対象に検討することを公式の場で明らかにした。ただし、「システム共同利用と組織統合との関係は?」との記者の質問に対しては、「直接的には結び付かないことを前提にしている」と総合取引所への合併等についてはまだ結論を出していないことも強調した。
 そして、今回の方針決定については、「これ以上、時間をかけても市場参加者を不安定な状態にする上、取引所の選択肢が減り、コストも増える。今が良いタイミングだと思った」と語った。
 また、「3年間は現行システムを利用するというが、その間、財務面での不安要素は?」といった記者の質問に対しては、改めて、「J-Gateを今から使うといっても、準備に2年かかるから、実際に使うのは1年ぐらいで、すぐに次期システムに替わる。それでは有利性がなく、JPXも慌てることはないと言ってくれている」と、市場振興とシステム共同利用は別の話であるとの認識を改めて確認すると同時に、システムについてはすでにJPXとかなり接触を重ねていることを窺わせた。
 とはいえ、この日同時に発表された東商取の今年4月1日から9月30日までの中間決算によれば、経常利益は、取引所単体で3億100万円の赤字。JCCHとの連結でも2億2500万円の赤字と厳しい数字になった。商品先物会社などの市場参加者からは、まず個人投資家導入を活性化させ、財務基盤を固めるべきとの声がある一方で、LNGや電力など、政府主導の新規上場も待ったなしと、官民両方から様々なプレッシャーもある。
 これについて、江崎社長は「東商取は民間企業。まずは市場参加者の利益と会社の収益基盤を固めることが先決。その意味で、JPXの次期システムが、それらの市場に対応できなければ困る」といった発言もあった。
 最終的な結論は出ていないものの、会見に参加した記者たちからは、「基本的にJPXの次期システムを利用する方向のようですが」といった声も聞かれた。まずは、検討スケジュールが明らかになったことで、市場参加者たちの不安定感が薄れ、当面の営業に専念できるようになることが期待されるところだ。
 (2013年12月16日─第1213号