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驕れる者久しからず
沼野 龍男
 最近の安倍政権の国会答弁を聞いていると、こんなことまで想像してしまう。
 「美しい国日本や大切な親兄弟の命を守るのに志願兵だけに頼るのは、国家としては極めて無責任なので、新たな国民の義務として18才に達した男子を中心に、国防軍の兵員としての基礎訓練を課すべく、憲法第9条第3項に徴兵制導入を明記したい。
 美しい国を護るには、国防軍の隊員は美しい魂を持った若者でなければならない。義務教育で徳育に力を入れ、教育勅語を復活させると共に、日本古来の伝統的な武道にも取り組んでもらい、永久不滅の素晴らしい日本を実現せねばならない。この道程遂行に抵抗する『民主勢力』の仮面を被った知識人や平和主義者を監視し、安倍政権流の平和と安全保障の為に、彼等の行動を規制する目的で、テロ等準備罪と称して、担当大臣ですらよく分かっていない共謀罪を無理矢理通してしまった。
 政権に目障りな批判勢力、反対勢力は『抵抗勢力』で一括りにして、あたかも、戦前・戦中は『アカ』というレッテルを張り、国家転覆、破壊活動の核と宣伝した忌まわしいデマ(事実に反する悪宣伝)を再現しようとしているようだ。正に悪質な印象操作とデマを混ぜて、正当な国民の意思表明行動やメディアの批判つぶしにかかろうとしている」と
。 最近の政権中枢は、「関係ない、問題はない、記録にないから確認できない、記憶にない、調査の必要もない」の無い無い尽くしで、議論にも答弁にもなっていない。官房長官はじめ、うつろな眼で同じことを繰り返す姿は正視できない。「あらゆる内部告発」を反故にしてしまう。
 大臣とも高級官僚も人事権を持つ首相に金玉を振られていて、何も出来ない。
 政府は支配する者、国民は支配される者。
 国民は権力に抵抗する力を潰される、これは民主主義や立憲主義の否定だ。
 安全保障や平和の為を口実に、国民の自由や人権は二の次三の次に置かれかねない。